早大教育物理'05[2]

(A) オシロスコープの原理
図U
-1のように、速度の電子(電荷は,質量はm)z軸上を入射してくる。以下では重力や地磁気は無視できるものとする。
間隔
Lの極板には電圧がかかっている。極板はにわたっているので電子はこの間で力を受け、その結果生じる加速度のy成分は (1) である。電子のz座標がdであるとき、速度のy成分は (2) であり、z成分はのままである。また、このときのy座標は[ (3) ]である。さらにこのとき電子の進行方向がz軸と角度ϕをなしているとすると、を用いて[ (4) ]と書ける。電圧を上げすぎると電子は極板に衝突してしまう。衝突しない条件は[ (5)  ]である。ただし、における極板間では電場(電界)は一様であり、その外ではゼロとみなしてよい。

(B) 位相差の測定
2組の極板を用いて図U-2のように電子ビームの角度をx方向にも制御できるようにした。電子は極板の領域を抜けた後その速度を保って進み、極板の大きさに比べて極めて遠方の蛍光板(ブラウン管)に当たってその点(スポット)を光らせる。極板の大きさLおよびdは蛍光板までの距離に比べて無視できるほど小さいので、以下では電子は原点Oから飛び出すという近似を用いる。極板にかける電圧をのように時間的に変化させると、蛍光板のスポットの座標ものように時間の関数となる。(A)よりは電圧に比例するので、電子が極板から蛍光板に到達する時間を無視すればに比例し、またに比例するとしてよい。
1 原点Oから蛍光板までの距離をDとする。を用いて表せ。
2 極板に角振動数(角周波数)ω の電圧をかけたとき、となったとする。を消去し、蛍光面に表示されるXYで表現される図形の方程式を求めよ。
3 同様にとなった場合に、表示される図形の方程式を求め、以下の空欄をδ の関数で埋めよ。δ は位相差と呼ばれる。
4 図U-3のような座標回転によって問3で得た方程式をで表し、積の係数が0となるようにθ を求めよ。そのようなθ のうち、となるθ [  ]である。
このときで表した図形の方程式は
である。これは楕円の方程式であり、
が位相差δ の関数となるので、この比を測定することにより位相差を求めることができる。
5 位相差δ を求めるもう一つの方法がある。問3から直接
を計算すると右辺はδ のみの関数となる。上記の空欄を埋めよ。ただし<...>は、1周期についての時間平均を表す。

解答 問2以降は、物理の入試問題なのか?と思ってしまいます。

(1) 極板間にはy軸負方向に大きさ電場(電界)ができています。負電荷をもつ電子にはy軸正方向に大きさが働いています。加速度y成分をとしてy軸方向の運動方程式
......[] (一定 なので、y軸方向の運動は等加速度運動です)
(2) z軸方向に速さ距離dの極板間を通過するのに時間を要します。のとき、電子の速度y成分は、
......[]
(3) のときのy座標は、等加速度運動の公式より、
......[]
(4) 電子の速度z成分がy成分がなので、
......[]
(5) 電子が極板に衝突しない条件は、
......[]

1 極板間を通り抜けた後、電子はzx平面となす角ϕの方向に等速直線運動します。電子が原点Oから飛び出す近似を用いると、y方向の変位は、
......[]
追記.2組の極板とも、z軸方向のdで、極板間距離Lだとします。電子の進行方向がyz平面となす角度をφとすれば(4)と同様にとなります。問1と同様にして、x方向の変位についても、
となり、ともにを比例係数としてに比例します。

2 より、
図形の方程式は、

3  (加法定理を参照)
 ( )
より、



......[]

4 右図より、
 (1次変換を参照)
3の結果に代入して


 ・・・@
の係数を0とすると、
題意より位相差δ は、いろいろな値をとり得るので、

より、 ......[]
このとき@より、
より、
......[]
......[
] (楕円を参照)
注.上記では、とします。のときはのときはとなり楕円にはなりません。のときは円になります。

5 周期Tで変化する量があって、時刻tにおける値をとするとき、周期Tn等分して時刻,・・・,におけるn個の値の平均値を考え、の極限値を1周期にわたる時間平均と考えることができます。つまり、
 (区分求積法置換積分を参照)
として計算できます。
のとき、
 (半角の公式を参照)


 (三角関数の諸公式を参照)


......[]


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