早大理工数学
'12
年
[1]
以下の問いに答えよ。
(1)
複素数
α
,
β
に対して
ならば、
または
であることを示せ。
(2)
複素数
α
に対して
が正の実数ならば、
α
は実数であることを示せ。
(3)
複素数
,
,・・・,
(
n
は自然数
)
に対して、
,・・・,
,・・・,
および
がすべて正の実数であるとする。このとき、
,
,・・・,
はすべて実数であることを示せ。
解答
現過程では意表を突く問題と言えないこともありませんが、かつて複素数平面が入試範囲だった頃であれば易問です。
以下、
i
を虚数単位
(
)
とします。
(1)
p
,
q
,
r
,
s
を実数として、
,
とします。
(
複素数の計算
を参照
)
⇔
⇔
⇔
⇔
⇔
または
⇔
または
別解.上記と実質的に同じですが、
絶対値
を用いれば以下のように書けます。
⇔
⇔
または
⇔
または
(2)
p
,
q
を実数として、
とします。
は正の実数
⇔
かつ
だとすると、
を満たす実数
q
が存在しないので、
,つまり、
です。
よって、
α
は実数です。
別解.複素数
α
の
偏角
を
(
)
と表すと、
の偏角は、
(
偏角
arg
には
log
のような性質があります
)
です。
が正の実数だとすると、
として、
∴
よって、
α
は実数です。
(3)
となる、ある整数
k
に対して、
,
を実数として、
として、
と仮定します。
のときは、
これが、正の実数であるとき、
かつ
より、
つまり、
同様に、
であれば、
また、
であれば、
これより、
∴
だとしても、
となるので、
となります。
いずれにしても、
とした仮定と矛盾します。よって、仮定は誤りで、
,
,・・・,
はいずれも
0
であって、
,
,・・・,
はすべて実数です。
別解.上記と実質的に同じですが、偏角を用いて以下のように解答することができます。
である整数
k
に対して、
が正の実数であることから、
(
は整数
)
のときは、
が正の実数であることから、
(
は整数
)
これより、
・・・・・・
∴
よって、
,・・・,
はすべて
π
の整数倍となり、
,
,・・・,
は実数です。
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