東大理系数学
'09
年
前期
[5]
(1)
実数
x
が
,
をみたすとき、次の不等式を示せ。
(2)
次の不等式を示せ。
解答
試行錯誤は必要ですが、しっかり計算して得点しておきたい問題です。
(1)
は、いきなり
(
右辺
)
−
(
左辺
)
では、指数の扱いが面倒なので対数を考えます。なるべく微分しやすい形に整理しましょう。なお、
微分法の不等式への応用
(2)
を参照してください。
(1)
与不等式両辺の
自然対数
を考えても不等号の向きは変わりません。
・・・@
@を示せばよいのですが、この形で
(
右辺
)
−
(
左辺
)
として微分すると
log
が残って厄介です。そこで、
,
で場合分けして、
x
をかけた式を示すことにします。
(i)
のとき、@両辺に
x
をかけると、
・・・A
この場合は、以下でAが成り立つことを示します。
・・・B
とおきます。
(
微分の公式
、
積の微分法
を参照
)
よって、
は
単調増加
で、
従って、
も単調増加で、
よって、Aが成り立ちます。
(ii)
のとき、@両辺に
x
をかけると、
・・・C
この場合は、以下でCが成り立つことを示します。
Bのように
をおくと、
よって、
は単調減少で、
従って、
は単調増加で、
よって、Cが成り立ちます。
(i)
,
(ii)
より、
,
をみたすとき、
が成り立ちます。
(2)
問題文の不等式
・・・D
は非常にきわどい不等式になっていて、電卓で計算してみると
(
試験場ではこうは行きませんが
)
、
,
となっていて、粗雑な評価では示せません。
(1)
の不等式を利用するにしても、
とか
,
,
を単に代入するのでは、Dの形を作ることができません。
Dには、
0.99
と
0.9999
が出てくるのですが、
,
となるので、
(1)
の不等式の
には
をかけ、
には
をかけて
とするとうまく行きそうです。
そこで、
(1)
の不等式の両辺に
をかけてみます。
を代入すると、
∴
・・・E
左辺の形に合わせて
(1)
の不等式の両辺に
をかけると、
を代入すると、
∴
・・・F
E,Fより、Dが示せました。
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