東大理系数学
'07
年前期
[5]
表が出る確率が
p
,裏が出る確率が
であるような硬貨がある。ただし、
とする。この硬貨を投げて、次のルール
(
R
)
の下で、ブロック積みゲームを行う。
(
R
)
n
を正の整数、
m
を
をみたす整数とする。
(1)
n
回硬貨を投げたとき、最後にブロックの高さが
m
となる確率
を求めよ。
(2) (1)
で、最後にブロックの高さが
m
以下となる確率
を求めよ。
(3)
ルール
(
R
)
の下で、
n
回の硬貨投げを独立に
2
度行い、それぞれ最後のブロックの高さを考える。
2
度のうち、高い方のブロックの高さが
m
である確率
を求めよ。ただし、最後のブロックの高さが等しいときはその値を考えるものとする。
解答
東大の
確率
の問題は易しそうに見えるときの方が正解しにくいのです。場合分けの重複の見落としなどで、すぐに大きな差がついてしまうので、充分に注意してください。この問題も
注意力
をみるようなタイプの問題です。
以下において、
n
回すべて表が出る場合と、
1
回でも裏が出てブロックを積み直すときとで、分けて考える必要があります。
(1)
一度でも裏が出ると、ブロックの高さはゼロ・クリアされてしまうので、ブロックの高さが
m
ということは、一旦裏が出て、その後、直近
m
回の硬貨投げで
m
回連続して表が出ていたということです。
のときは、
n
回の硬貨投げすべて表ということなので、
......[
答
]
のときは、
回目
(
それ以前は任意
)
に裏が出て、その後
m
回連続して表が出ていたので、
......[
答
]
(2)
・
のときは、ブロックの高さは最大で
n
となり、必ず
n
以下になるので、
......[
答
]
・
のときは、最後にブロックの高さが
m
以下になる事象の
余事象
は、ブロックの高さが
以上である事象で、直近
回
(
それ以前は任意
)
連続して表が出ていた場合に起こり、この確率は
です。
余事象の確率
が
なので、
......[
答
]
の場合については、最後にブロックの高さが
k
(
)
となる確率は
(1)
より、
なので、
について和をとり、
(
等比数列
を参照
)
とすることもできます。
(3)
独立な
2
度の試行では、確率は単にかければよい
(
独立試行の確率
を参照
)
のですが、
2
度のうち高い方のブロックの高さが
m
になるのは、
1
度目が
m
で
2
度目が
m
以下、または、
1
度目が
m
以下で
2
度目が
m
のどちらかです。この
2
通りには、
1
度目も
2
度目も
m
という場合が重複
しています。
・
のとき、
1
度目が
n
で
2
度目が
n
以下となる確率は、
1
度目が
n
以下で
2
度目が
n
となる確率も、
1
度目も
2
度目も
n
となる確率は、
∴
......[
答
]
・
のとき、
1
度目が
m
で
2
度目が
m
以下となる確率は、
1
度目が
m
以下で
2
度目が
m
となる確率も、
1
度目も
2
度目も
m
となる確率は、
∴
......[
答
]
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