東大文系数学'06前期[3]

nを正の整数とする。実数xyzに対する方程式 ・・・@ を考える。
(1) のとき、@を満たす正の整数の組となるものをすべて求めよ。
(2) のとき、@を満たす正の実数の組は存在しないことを示せ。

解答 整数問題で、すべての場合をチェックするとしたら無限の可能性があって、チェックしきれません。そこで、チェックする範囲を与えられた条件を使って絞り込む(できれば、10通り以内くらいに)必要があります。(1)では、という条件をうまく使うことがカギです。
(2)は整数問題ではありませんが、いろいろな解法が考えられます。

(1) @でとすると、
 ・・・A
より、
Aより、
より、
xyは正の整数なので、に限られます。
のとき、
Aより、となり不適。
のとき、
Aより、
のとき、
Aより、となり不適。
のとき、
Aより、となり不適。
のとき、
Aより、となり不適。
のとき、
Aより、となり不適。
以上より、 ......[]

(2) @でとすると、
これを満たす正の実数の組が存在すると仮定します。
これを
xに関する3次方程式と見て、
とおき、3次関数を調べます。より、



x


00

増減表より、においてであって、3次方程式は、正の実数解をもちません。これは、という仮定と矛盾します。よって、正の実数の組が存在するとした仮定は誤りであって、のとき、@を満たす正の実数の組は存在しません。
別解 相加平均相乗平均の関係より、
 ( )
よって、をみたす正の実数の組は存在しません。

追記.(1)は、東工大'96年前期[1](以下)の一部分((1)の場合)です。

2以上の整数nに対して方程式の正の整数解を考える。ただし、たとえばは異なる解とみなす。このとき次の問いに答えよ。
(1) およびのときの解をすべて求めよ。
(2) 解が1つしかないようなnをすべて求めよ。
(3) 任意のnに対して解は少なくとも1つ存在し、かつ有限個しかないことを示せ。

この問題では、,・・・,の大小関係が仮定されていないのですが、すべて異なる場合でも大小関係はn個の異なるものの順列通りしか存在しないので、大小関係を仮定して考えるべきです。1つ解を求めてしまってから、あとで、並べ替えたものを列挙すればよいのです。というのは、整数問題では、大小関係を仮定することが強力な絞り込みの武器となることがあるからです。
と仮定すると、

ですが、
 ・・・B
より、
より、
 ・・・C
個の正整数の積がn以下ということで、チェックする範囲をかなり絞り込むことができるのです。
(1)の場合が本問(1)です。並べ替えも入れて、
......[]
の場合は、
 ・・・D
Cより、
これをみたすのは、
3通りの可能性しかありません。このうちDをみたすのは、
......[]
の場合、以下のような考え方もできます(こちらの方が普通の解法です)
Dを因数分解のような形に変形して、
 ・・・E
これも、整数問題の基本ですが、

(整数A)×(整数B)(整数C) ・・・F
という形を作ると、
ABCの約数に限定できるので、チェックする範囲を絞り込むことができます。なので、Eをみたすのは、のときだけです。
よって、となります。

(2) の場合に、n個の整数,・・・,2個の変数にできないか、2個の変数にしてしまえば、(1)の別解の解法が使える、と、考えます。ちょっと遊びで、2個の変数だけ残して、残りを全部としてみます。Bは、
となります。左辺は1個足しているので、
こうなれば、(1)の別解の解法が使えます。Fの形になるように変形すると、

の約数になりますが、

がBの
1つの解を与えます。つまり、の場合、Bには、
 ・・・G
という解が存在するのです。この解には、3種類の整数、12nが出てくるので、,・・・,の並べ替えにより、複数の解を作ることができます。すなわち、の場合には、2個以上の解が存在します。よって、解が1つしかないようなnは、(1)より、
......[]

(3) (1)の場合と、の場合のGにより、任意のnに対して、Bには、少なくとも1個の解が存在します。
Bの解はCをみたしますが、Cをみたす,・・・,はすべて1以上でn以下の整数であって、のときの組の個数は個以下です。
の場合には、となるので、Bはみたされません。
ということは、Bの解の,・・・,の中には
2以上のものが含まれています。このとき、,・・・,が決まれば、Bによりはただ1通りに決まります。
従って、の組の個数も個以下です。
,・・・,の大小関係は、
n個の整数がすべて異なっていた場合の通り以下です。
よって、Bの解は個以下であり、有限個しかありません。


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