東大理系数学
'02
年前期
[4]
a
は正の実数とする。
xy
平面の
y
軸上に点
P
をとる。関数
のグラフを
C
とする。
C
上の点
Q
で次の条件を満たすものが原点
O
以外に存在するような
a
の範囲を求めよ。
条件:
Q
における
C
の接線が直線
PQ
と直交する。
解答
条件には、直線
PQ
が
C
の
接線
と直交する、と書いてありますが、
Q
における
C
の接線と垂直であって
Q
を通る直線は、この点
Q
における
C
の
法線
です。
従って、直線
PQ
が
C
の法線となりうるのかを考えればよいわけです。
まず、
Q
の
x
座標を
t
として、
Q
における法線を求めてみます。
Q
の
y
座標は
です。
の両辺を微分すると、
(
商の微分法
を参照
)
原点以外で
Q
を考えるので、
として考えます。
Q
における法線の傾きは、
(
接線と法線の公式
を参照
)
よって、
Q
における法線:
整理すると、
法線の
y
切片は、
・・・@
(
直線の方程式
を参照
)
です。
さて、「
Q
における
C
の接線が直線
PQ
と直交する。」ような点
Q
が原点以外に存在する、ということは、どういうことかと言うと、
y
軸上の点
P
を通るような
C
の法線が
C
上のどこかの点
(
どこになるかはわかりませんけれど、原点以外の点です
)
を接点として引ける、ということです。
a
は、
P
の
y
座標なので、法線の
y
切片になります。
C
上の点
Q
が存在するための
a
の範囲とは何かと言うと、
C
上のあらゆる点で法線を引いてみたとして、法線と
y
軸との交点
P
が
y
軸上を動き回りますが、その交点
P
の
y
座標、つまり
法線の
y
切片がとりうる範囲
という意味です。
ここの部分のロジックがややこしいですが、この問題は、ここ以外は単純な微分積分の計算問題なので、グラフを描いて法線をいろいろと書き込んで考えてみてください。
結局、何をすればよいのかと言うと、@を
として考えた関数
の取り得る値の範囲を求めればよい、ということです。
さて、この関数をこのまま微分して値域を求めても良いのですが、通分して展開整理すると、ちょっと時間がかかりそうです。そこで、計算の工夫を考えます。
この式では、
が
2
回出てきます。
という部分もありますが、これは
から
1
を引くだけのことです。
それと、
と置いたのでは、分母が
となって、商の微分法を使うところがやや面倒になります。
従って、ここは、
と置き、
u
の関数として値域を考えるのが最善です。
のとき、
です。
とおいて、微分すると、
よって、
は、
において
単調増加関数
です。
のとき、
のとき、
これより、
の値域は、
です。
即ち、
......[
答
]
東大理系数学
TOP
数学
TOP
TOP
ページに戻る
各問題の著作権は出題大学に属します。
©
2005-2022
(有)りるらる
苦学楽学塾
随時入会受付中!
理系大学受験ネット塾
苦学楽学塾
(ご案内は
こちら
)ご入会は、
まず、
こちらまでメール
をお送りください。
雑誌「
大学への数学
」出版元