東工大数学
'03
年前期
[4]
関数
(
)
を次の漸化式により定める。
,
ただし、
は
の第
k
次導関数を表す。
(1)
は
次多項式であることを示し、
の係数を求めよ。
(2)
,
,
,
を求めよ。
解答
関数列と
微分
が出てきますが、
数学的帰納法
の問題です。
(2)
のことも頭に入れて、帰納法の証明を考えるとよいでしょう。
の雰囲気をつかむために、
,
,
を求めてみます。
与
漸化式
において、
とすると、
,
より、
与漸化式において、
とすると、
,
より、
与漸化式において、
とすると、
,
より、
これで、この問題の大体の見当はついてしまいます。
(1)
上記の検討で、
が
次式になりそうなことは充分予測できます。
最高次の項
の係数ですが、
の
の係数:
でも見当がつきますが、不安なら、
の最高次の項も考えてみましょう。
の
の係数は、
の
の項を
2
回微分して
をかけたものになります。
2
回微分すると、係数に
が乗じられるので、
の
の係数は、
となり、
の
の係数は、
と予測できます。
(1)
として、この予測を証明すればよいのですが、
(2)
のことも考えておきます。先の心配をする余裕がないかも知れませんが、この問題では、
(2)
を考えてから
(1)
に戻って考え直しても、充分、試験時間内に入ると思います。
(2)
では、微分係数を聞いているのですが、
1
次、
2
次、
3
次、
4
次の微分係数を求めよと言っているので、
の
1
次、
2
次、
3
次、
4
次の項の係数が問題になりそうです。
上記の検討ですぐ気がつくことですが、
には、定数項と
1
次の項がないことが予測できます。これも、合わせて、証明しておくことにします。また、
の
,
,
の係数を
,
,
とおきます
(
,
となることもわかりきっていますが
)
。
命題:
(
)
は、
次式であって、
の係数は
であり、
とおける。
この命題を
数学的帰納法
により証明します。
(
T
)
のとき、
より、
は
次式であって、
の係数は
であり、
,
とすれば、命題は成立します。
(
U
)
のとき命題が成立するとして、
とおけたとします。
与漸化式において、
として、
は、
次式であって、
の係数は、
であり、
,
,
とすれば、
とおけるので、
のときにも命題は成立します。
(
T
)
,
(
U
)
より、命題が証明されました。
の係数は
......[
答
]
(2) (1)
の証明より、
,
より、
に対して、
です。
,
より、数列
は、初項
0
,公差
2
の
等差数列
です。
よって、
,
より、
として、
(
のときも成り立ちます。
階差数列
を参照
)
以上より、
∴
,
,
,
......[
答
]
問題文中に漸化式が与えられていて、その漸化式を用いて数学的帰納法の証明を構成する証明問題で、一生懸命、漸化式を証明しようとする人が多いのですが、漸化式は成り立つとされている「事実」です。成り立つとされている「事実」の証明を試みても何の意味もありません。何を証明すべきなのか、何が明らかにされていないのか、ということをよく考えるようにしてください。
東工大数学
TOP
数学
TOP
TOP
ページに戻る
各問題の著作権は出題大学に属します。
©
2005-2022
(有)りるらる
苦学楽学塾
随時入会受付中!
理系大学受験ネット塾
苦学楽学塾
(ご案内は
こちら
)ご入会は、
まず、
こちらまでメール
をお送りください。
雑誌「
大学への数学
」出版元