積事象・和事象・余事象
関連問題
2
つの事象
A
と事象
B
が起こるときに、
事象
A
と事象
B
がともに起こるという事象を
積事象
と言います。事象を集合で表すと、
に相当します。
事象
A
または事象
B
が起こる事象を
和事象
と言います。事象を集合で表すと、
に相当します。
「事象
A
と事象
B
が同時に起こること」がないとき、つまり、
のとき、事象
A
と事象
B
は、
排反
であると言います。
集合の公式
(
集合の要素の数
を参照
)
:
の両辺を、全事象の場合の数:
で割ると、
,
,
,
として
(
確率
を参照
)
、
和事象の確率の公式:
が得られます。
ここで、特に、事象
A
と事象
B
が排反であるとき、
より、
となり、
となります。これを
確率の加法定理
と言います。
3
つ以上の事象についても、全く同様です。互いに排反な事象
A
,
B
,
C
の和事象
の確率は、それぞれの事象が起こる確率の和です。つまり、
例
1
.
1
から
30
までの数が書かれたカードが
1
枚ずつ
30
枚ある。この中から
1
枚を無作為に選んだときに、
5
の倍数と
7
の倍数の書かれたカードを選ぶ確率を求めよ。
[
解答
]
1
から
30
までの数の中には
5
の倍数であってかつ
7
の倍数である数は存在しないので、
5
の倍数を選ぶ事象と
7
の倍数を選ぶ事象は排反です。
5
の倍数は
6
通りで、
5
の倍数を選ぶ確率は、
7
の倍数は
4
通りで、
7
の倍数を選ぶ確率は、
求める確率は、両者の和となり、
......[
答
]
ここで、
1
から
60
までのカードだと、
5
の倍数は
12
通り、
7
の倍数は
8
通り、
35
の倍数が
1
通りで、確率は、
となります。
全事象
U
に対して、「事象
A
が起こらない」という事象を事象
A
の
余事象
と言います。
集合の公式
(
集合の要素の数
を参照
)
:
の両辺を、全事象の場合の数:
で割ると、
,
として、
余事象の確率の公式:
が得られます。
例
2
.サイコロを
3
個振るときに出た目の積が偶数になる確率を求めよ。
[
解答
]
3
個の目の積が偶数となるのは、
3
個のうちどれか
1
個が偶数になればよいのですが、
3
個のうち
2
個が偶数の場合、
3
個とも偶数の場合の重複を考える必要があって面倒です。このように、場合分けが複雑になってしまうときに余事象を考えます。
出た目の積が偶数となる事象の余事象は、出た目の積が奇数という事象ですが、これは、
3
個の目が全て奇数のときにしか起こりません。
奇数が目が出る確率は
なので、
3
個とも奇数の目が出る確率は、
です。確率を考えている事象の余事象の確率が
なので、元の事象の確率は、
......[
答
]
なお、確率には重要な性質があります。
事象
A
の確率を考えるときは、事象
A
の場合の数
を全事象の場合の数
で割りますが、集合
A
は全体集合
U
の部分集合なので、
です。
この各辺を
で割ると、
∴
即ち、事象
A
が起こる確率は、負の数になったり、
1
より大きい数にはなり得ません。
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