慶應大学理工学部
2007
年数学入試問題
[A1]
(1)
とする。実数
a
に対して、
を考える。
を最小にするような
a
を
とするとき、
ア
,
イ
である。
次に、関数
と、実数
b
,
c
に対して、
を考える。
を最小にするような
b
,
c
をそれぞれ
,
とすれば、
ウ
,
エ
である。
(2)
正
9
角形の
3
つの頂点でできる
(
)
個の三角形のうち、鈍角三角形の個数は
オ
個である。一般に、正整数
n
に対して、正
角形の
3
つの頂点でできる鈍角三角形は、全部で
カ
個ある。
[
解答へ
]
[A2]
(1) 2
つの行列
A
と
P
を
,
とする。ただし、
a
,
b
,
k
はいずれも実数で、
であり、
P
は逆行列
をもつとする。このとき、
a
と
b
を実数として
となるように定数
k
の値を定めると、
キ
である。また、
a
と
b
を
a
と
b
を用いて表すと、
ク
,
ケ
となる。したがって、行列
A
の
n
個の積
を
とすると、
a
,
b
,
n
を用いて、
コ
,
サ
と表すことができる。
(2)
であるような実数
t
に対し、行列
A
と、座標平面上の点
,
を、
,
,
,
,
と定義する。このとき、すべての
n
について
を満たす
t
の値の範囲を不等式で表すと、
シ
となる。この場合、
としても点
は原点には近づかない。
のときに点
が原点に限りなく近づくような
t
の値の範囲を不等式で表すと、
ス
となる。
[
解答へ
]
[A3]
図のように、座標平面上に
2
点
A
,
B
が与えられている。また、原点
O
を中心とした半径
1
の円周上に、
が
0
以上
以下であるような点
P
がある。
いま、動点
X
が、点
A
を出発し、円周に沿って反時計回りに点
P
に至り、その後線分
PB
に沿って点
B
に移動する。ただし、円周上では速さ
1
で移動し、線分
PB
上では速さ
k
(
)
で移動するものとする。
(
)
とし、動点
X
が
A
から
B
へ至る所要時間を
とする。
(1)
線分
PB
の長さを
を用いて表すと、
セ
となる。
(2)
の導関数は
ソ
となる。
(3)
が
のとき最小となるためには、
タ
となることが必要十分である。
(4)
とおくとき、
を
q
の式で表すと、
チ
となる。
また、
タ
とするとき、
が最小となるように
q
を選ぶと、
a
と
k
の間には、
ツ
という関係が成立する。
[
解答へ
]
[A4]
(1)
不定積分を計算して
テ
(
C
は積分定数
)
を得る。
(2)
座標空間内で、各時刻
t
において
2
つの動点
と
を結ぶ直線を考える。時刻
t
が
0
から
2
まで進むとき、この直線群が作る曲面と
xy
平面、
yz
平面、平面
によって囲まれる立体を
D
とする。
平面
(
)
による
D
の断面積を
とするとき、
ト
,
(
ナ
)
である。よって、
D
の体積は
ニ
である。
次に、立体
D
を
y
軸のまわりに
1
回転させて得られる回転体
K
の体積について考える。
(
)
とおいて、
を
f
の逆関数とする。このとき、回転体
K
の体積
V
は
と表せる。ここで、
であることに注意して置換積分法を適用した上で、
(1)
の不定積分などを用いて、
ネ
を得る。
[
解答へ
]
[B1]
(1)
を満たす
3
次式
と、
を満たす
4
次式
を求めなさい。また、多項式
で、
を満たすものを求めなさい。解答欄には答だけを書くこと。
(2)
を
(1)
で求めた多項式とする。
とするとき、
であるためには、
または
または
であることが必要十分であることを証明しなさい。
(3)
の値を求めなさい。値だけでなく、なぜそうなるのかも書くこと。
[
解答へ
]
各問検討
[A1]
(
解答は
こちら
)
(1)
は単なる積分の計算問題で、
2
次関数の最大最小をからめて、空所補充式の問題の採点がやりやすいように極限を求めさせる問題です。受験生にとってはおもしろくもない計算なのですが、実用的な意味があるので、我慢して計算してみて欲しい問題です。
の最小の方では、
b
,
c
の
2
変数関数の最小問題になりますが、
b
,
c
の各々について
2
次関数の形になるので、
b
,
c
それぞれについて平方完成を行います。
,
という形が出てくるので、それぞれのカッコ内が
0
のときに最小になる、とすれば解決します。最近、少々珍しいですが、以前は頻出技巧でした。
ところで、この問題が何をしたいのか、という背景を書いておきます。
微生物の水質汚濁への耐性を調べるために、毒物の濃度と微生物の生き残り個数のデータをとることにします。培養した微生物を
10
個の容器に分けて入れ、それぞれ、毒物濃度を
1ppm
,
2ppm
,
3ppm
と上げていき、
1ppm
のときの
1
立方ミリ中の微生物個数を数えます。
52
個だったり、
47
個だったり、
53
個だったりするでしょう。
2ppm
のときには、
32
個だったり、
37
個だったり、
29
個だったりするでしょう。このとき、こうして得られたデータをどう整理して、微生物の水質汚濁耐性を調べたらよいでしょうか。
このとき、全体の平均値や、
2
量の関係を直線で表すことを考えます。毒物濃度と生き残り個数の関係が直線にならなくても、毒物濃度の逆数とか対数を考えると、生き残り個数の間に直線的な関係が見られるかも知れません。
それにしてもバラバラのデータからどう直線の式を作ればよいでしょうか。
2
量
x
,
y
のデータが、
,
,・・・,
のように
n
個与えられているとします。
x
と
y
の関係が仮に
になるとして、各データごとに、直線からのズレを調べます。このとき、単なるズレ:
(
)
を加え合わせてしまうと、うまく
a
,
b
を求めることができません。プラスにズレるものとマイナスにズレるものとで相殺してしまって、ズレを加え合わせると、ズレの総和がほぼゼロになってしまうからです。
そこで、ズレの
2
乗:
(
)
を考えます。
2
乗であれば必ず
0
以上になるので、各データの直線からズレは足していけば累積します。ズレの
2
乗の総和:
・・・@
が最小になるような
a
,
b
を決めれば、測定データをよく表す直線の方程式:
が得られます。そうは言っても、@は複雑な式になるのではないか、という気がするかも知れません
(
フーリエ級数をネタにした同様な問題が
'94
年九大理系前期
[4]
にあるのですが、この問題を演習課題に出したら、先生、この問題やめようよ、と、言ってきた生徒がいました。大した計算じゃないよ、と、私に説得された彼は、慶大理工に進学しました
)
が、面倒でも展開して足し直してみると、
ここで、
,
,
,
,
とおくと、
と平方完成できるので、
,
を満たすように
a
,
b
を決めればよいことになります。この手法を最小自乗法と言います。
最小自乗法を関数
に応用するとどうなるでしょうか?区間
において、曲線
を最もよく近似する直線の式:
を求めたいとします。区間
内の各
x
における
の
2
乗の総和を求めて足し合わせれば良いのですが、ここで、
を考えよう、というのがこの問題です。
(1)
後半の、
というのは、
において、曲線
に最も近い直線:
を求めよう、と、言っているのです。直線は
h
を用いて、
と表せますが、採点が面倒
(
と言っては出題者に失礼ですね。受験生の多少の計算ミスに目をつぶるため?
)
なので、
の極限を答えさせるようにしたのでしょう。
では、前半の、
は、何をしたいのかと言うと、
の最小値を与える
a
が、
における
の平均値だと言っているのです。実際、
となるので、区間
の幅
で割ると、
の最小値を与える
a
の値、
(
アの答
)
になります。
(2)
は、頭脳明晰な受験生諸氏は、
(
カ
)
だけあれば良くて、
(
オ
)
は無意味だと思われるかも知れません。
(
カ
)
の答、
で、
とすれば、
(
オ
)
の答
54
が出てきます。試験場でも、最初から一般的な正
角形の場合で考えて、
を代入して
(
オ
)
を答えた受験生も多いと思います。
ここでは、慶応の先生は、問題解決の
1
手法を提示したいのです。最初から一般的な
n
について考察を進めようとすると困難なとき、具体的なある一つの
n
の値について感じをつかんでから、一般的な問題を考えようと、言っているのです。
地球温暖化の問題を一般的に考えようとすると非常に難しい問題です。しかし、まず、はじめに、皆さん一人一人が、自分の身近なところから、できるところから、エアコンの温度設定を
1
度高くしよう、とか、なるべく扇風機にしよう、とか、それなら電器量販店でもらったうちわにしよう、というように発想していこうと、言っているのです。これは、極端な例かも知れませんが、具体的なわかり易い問題から考えていこう、というのは、入試問題一般についても言えることです。特に、慶応理工では、
(1)
で小学生でもできる問題を考え、
(2)
で
(1)
の発想を応用し、
(3)
で
(1)
から
(2)
への発展のしかたをさらに応用し、という手法でできている問題が目につくように思います。
[A2]
(
解答は
こちら
)
(1)
は行列のべき乗の問題としては、最もポピュラーなタイプなので、落とすわけには行きません。計算ミスに注意しながら、ひたすら手を動かすのみです。
(2)
も普通に等比数列が収束する条件を考えて平凡に計算すれば答は出ますが、固有値を使ってこの問題の意味を考えてみます
(
固有値については
こちら
を参照
)
。行列
の固有値は、
,
,
a
に対する固有ベクトルは
,
b
に対する固有ベクトルは
となります
(
なので、
)
。つまり、
,
行列
A
を
n
回かけると、
,
また、
,
が
1
次独立なので、
xy
平面上の点
X
の位置ベクトル
は、
c
,
d
を実数として、
の形に書くことができます。
として、点
の位置ベクトル
について、
・・・@
X
が原点を通り固有ベクトルの方向を向いている直線
上の点である場合
(
k
を実数として、
)
には、
も直線
上の点です。
X
がもう一つの固有ベクトルの方向を向いている直線
上の点である場合
(
k
を実数として、
)
には、
も直線
上の点です。
それゆえ、直線
を行列
A
の表す
1
次変換の不動直線と言います
(‘97
年までの入試範囲でした
)
。
以下、
X
,
は原点以外の点だとして、@式に沿って考えます。
・
のとき、
,
,
,
このときには、
は、
のとき、原点から遠ざかって行きます。
・
のとき、
,
,
このときには、
より、
は、
のとき、直線:
上を動きながら、原点から遠ざかって行きます。
・
のとき、
,
,
,
このときには、
は、
のとき、直線:
に漸近しながら原点から遠ざかって行きます。
・
のとき、
,
,
このときには、
より、
は、
のとき、直線:
上を動きながら、
(
直線:
に漸近
)
となります。
・
のときが、本問の場合ですが、
のとき、
となります。
・
のとき、
,
このときには、
は、
のとき、直線:
,
上を交互に動きながら、直線:
に漸近します
(
と
を往復する感じになる
)
。
・
のとき、
,
,
このときには、
は、
のとき、直線:
に漸近しながら原点から遠ざかります
(
第
4
象限と第
2
象限を往復する感じになる
)
。
・
のとき、
,
このときには、
は、
のとき、直線:
,
上を交互に動きながら、直線:
から遠ざかります。
・
のとき、
,
このときには、
は、
のとき、原点をまたぐように往復しながら原点から遠ざかっていきます。
ムダなことをやっているように見えるかも知れませんが、受験生の皆さんには、この慶大理工の計算問題を解いたから、どうなのか、ということを考えて頂きたいのです。同じ問題が、慶大理工はおろか、東大でも東工大でも京大でも出題される可能性はありません
(
楕円の直交
2
接線の交点の軌跡が楕円の準円になるというような有名頻出問題は別として
)
。過去問を解くだけなら、来年の入試で出題可能性ゼロの問題を解くことになるのです。この方がムダと言えないでしょうか?
受験生の皆さんには、出題者の気持ちになって考えて欲しいのです。東大、東工大の先生がこの慶大理工の問題を見てどう思うかを考えて欲しいのです。おっ、慶大理工さん、なかなか面白い問題を出題しているじゃないか、ちょっと、これをもじった問題を考えてみようか、ということになるでしょう。過去問を解くだけでなく、その問題から派生して出てくることを検討しておくことこそがまさに来年の入試の準備に直結するのです。
この問題に限らず、過去問を解いたら、出題者はどのようにこの問題をアレンジするだろうか、ということを考えるように心がけて欲しいと思います。
[A3]
(
解答は
こちら
)
円周上を進んだ後、直線的に進む動点の最小所要時間を考える問題で、円周上というのが少々珍しいですが、過去にも類題が何度か出ています。
誘導通りにやって行けばできますが、
(
タ
)
だけ、まともにやると時間がかかってしまうので、「数学としては考えもの」ですが、
のときに最小となる限界においては、
になるだろう、それなら、
より、
がさかい目だろう、ということで、必要十分条件かどうかはさておいて、
(
タ
)
の解答欄に
と書き込んでしまうのが実戦上では良いと思います
(
だから、慶大理工は空所補充式をやめるべきだと私は思うんですね
)
。
(4)
が何をやろうとしているのか意味不明の問題ですが、物理に出てくる屈折の法則:
(
媒質T中を速さ
で進んできた光が入射角
a
で境界面に入射して屈折し、屈折角
b
で媒質U中に入ると速さ
で進む
)
を証明させる問題
(
鳥取大工医
'93[3])
を思い出します。
平面上に直線
L
と
L
上にない
2
定点
A
,
B
がある。
A
,
B
より
L
に下ろした垂線と
L
との交点をそれぞれ
,
とする。
L
上の任意の点を
X
とする。
A
を出発して
AX
上を速さ
で
XB
上を速さ
で動く点
P
がある。点
X
で
L
に立てた垂線と線分
AX
,
BX
とのなす角をそれぞれ
a
,
b
とするとき、点
A
から点
B
まで動点
P
が最小時間で達するならば、
が成り立つことを証明せよ。ただし、線分
,
,
,
の長さをそれぞれ、
a
,
b
,
c
,
x
とする。
(
一部省略
)
次のように解答することができます。
,
・・・@
これより、
,
・・・A
@より、
,
逆関数の微分法の公式より、
,
・・・B
,
より、
A
から
B
までの所要時間
t
は、
a
,
b
が
x
の関数であることに注意して、合成関数の微分法を用いて、
x
で微分します。
Aを用いて、
Bを用いて、
x
が
0
から
c
まで変化するとき
(
これ以外では明らかに遠回りになる
)
、
a
は
0
から単調に増加し、
b
は単調に減少して
0
に近づきます。このとき、
は最初負の値で単調に増加して正となります。
従って、所要時間が最小になるとき、
となり、
が成り立ちます。
さて、慶大理工
'07[A3](4)
に戻って、この問題も屈折の法則のように考えられないものでしょうか?
A
から
P
まで円周上を進むわけですが、
P
で屈折すると考える分には、原点
O
を中心とした半径
1
の円の点
P
における接線上を
P
まで進んできて円の内側に入ろうとして屈折すると考えてよいでしょう。すると、入射角は
で屈折角は
です。上記の屈折の法則にあてはめると、
となり、
となります。
[A4]
(
解答は
こちら
)
直線のベクトル方程式はどうするんだったか?さらに、空間内を動く直線が作る立体の体積を求めるだけでも大変なのに、さらに、その立体を回転させたときの体積を求めろ、さらに、逆関数まで登場するので、試験会場では腰が砕けてしまった受験生が多いと思います。
ですが、基本に忠実に計算してくれば、手間はかかりますが、決してできない問題ではないと思います。この問題を解くのに必要な基礎事項は、空間における直線のベクトル方程式、面積計算、断面積を積分して体積計算、回転体と言っても
y
軸に垂直な平面で切って見れば線分を回転するだけなので線分上の点で
y
軸から最も遠いところを探せば良いし、最後に
という形の積分が出てきますが、
と置換すれば積分できてしまう、というわけで、一つ一つを取れば、教科書レベルの事項です。次から次へと大波が押し寄せてくるので、息長くへこたれずに頑張れるか、ということが問われているわけです。
息が続かない、と、おっしゃる方に申し上げたいのは、もし、受験技巧を一つ覚えて、その技巧一つ使ってスンナリ解けてしまうような入試問題ばかりだったら、なんか、物足りなくないでしょうか?実際問題として、社会に出て、専門分野の第一線で活躍するようになると、この問題のように、次から次へと大波が押し寄せてくるものです。大波が押し寄せてきて、どうやってこの波を越そうか、と、知恵を振り絞り、一つ大波を越えてみたら、また、次の大波がやってきて、また頭を悩ませる、だからこそ、人生は楽しいのです。
受験生の皆さんには、こうした問題でこそ、入試問題を解くスリリングな楽しさを満喫して欲しいと思います。
[B1]
(
解答は
こちら
)
解答にも書きましたが、本問で取り上げられている、
をみたす多項式
は、
x
の
n
次式となり、チェビシェフの多項式と言います。
同様に、
をみたす多項式
は、
x
の
次式となり、こちらもチェビシェフの多項式と言います。
,
,・・・
,
,・・・
より、
を
x
と書き換えて、
,
,・・・
,
,・・・
となります。
,
,・・・
と順次求めてゆくのに便利な公式があります。和を積に直す公式を用いて、
これより、
∴
・・・@
同様に、
これより、
∴
も@と同形の漸化式に従います。
本問も、漸化式@を用いて、
と求めることができます。ただし、漸化式@は暗記すべき受験技巧というわけではありません。試験場では、和を積に直す公式から導くようにするべきです。
少し先の方まで求めてみます。
本問と同様にして、
とすると、
の範囲では、
より、
方程式:
の解から
を除いて考えれば、方程式:
において解と係数の関係を用いることにより、
,
が導けます。
〜
あたりを見ていると、最高次の係数がだんだん
2
倍されていることがわかります。漸化式@の
に
2
がかけられているからですが、
が最高次の項の係数が
の
n
次式となることは、数学的帰納法で簡単に証明できます。
上記と同様にして、
とすると、
の範囲では、
(
)
となりますが、
は
n
次方程式なので、
の範囲で
が単調であることを考えると、
(
)
が、
のすべての解になります。
また、
(
k
は
をみたす整数
)
のとき、
となるので、
(
k
は
をみたす整数
)
のとき、
となるので、
のグラフは、
,
,
より、
,
をみたす正方形の領域にすっぽりと収まり、
,
においては、単調なグラフとなります。
また、
n
が奇数の場合、
と
の
2
点を通り、この間で、
と
の間を
往復半し、
x
軸と
n
回交わります。
n
が偶数の場合、
と
の
2
点を通り、この間で、
と
の間を
往復し、
x
軸と
n
回交わります。
の両辺を
q
で微分すると、合成関数の微分法を用いて、
(
は
を
で微分することを意味します
)
これより、
となるような
q
において、
が成り立ちます。これより、
(
)
のとき、
となるので、
(
複号は、
k
が奇数のとき+,偶数のとき−
)
となりますが、これをもう少し複雑にした問題が、
'95
年山梨医大
[3]
にあります
(
山梨医大は現山梨大医学部です、以前、歩いて行けるくらいのところに住んでいました
)
。
さて、長々とチェビシェフの多項式
について書いてきましたが、本問は、これらを熟知していなければ解けない、という問題ではありません。
が扱いやすい関数になるので、入試問題の題材としてよく取り上げられるのですが、せいぜい、
,
の正方形の中にグラフがすっぽりと収まる、お行儀の良い関数だ、ということくらいを知っていれば解けるものがほとんどで、上記の内容を暗記しようなどとは間違っても思わないようにしてください。読み流して理解できていれば充分です。
本問では、三角関数の基礎事項、倍角の公式、和を積に直す公式あたりと、
3
次方程式の解と係数の関係を思いつければ
((2)
が思いつかせようとしています
)
、最終解答にたどりつけるはずです。
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