東北大理系数学
'09
年前期
[6]
実数
a
に対して、
x
の方程式
が、相異なる
4
つの実数解をもつような
a
の範囲を求めよ。
解答
難問ではありませんが、地道で面倒な考察を必要とする問題です。こういう問題でこそ、東北大学を目指す気持ちの強さが現れると言えるかも知れません。
以下では、
の場合はグラフから視覚的に判断できますが、
の場合は判別式などを調べる必要があります。
なお、
2
次関数
、
2
次方程式の一般論
、
2
次方程式の解の配置
を参照してください。
・・・@
@の形のままでは、絶対値がついている上に、文字
a
を含むので大変です。
絶対値記号の内側は、
で符号が変わるところと
で符号が変わるところがそれぞれ
2
カ所あることに目をつけて、@を、
・・・A
・・・B
の連立方程式と見ることにします。A,Bとも、
において絶対値記号の内側が符号を変えます。
Aは、
,
のとき、
のとき、
よって、Aのグラフは右図のようになります。
Bは、
のとき、
・・・C
のとき、
・・・D
のとき、
・・・E
よって、Bのグラフは、
,
のとき、右図のようになります
(
のときはBは
x
軸に一致
)
。このとき、
a
がいかなる値であっても、
のとき
となることに注意します。つまり、Bのグラフは
a
の値にかかわらず、点
,点
を通ります。
また、Bは、
のとき
,
のとき
となるので、点
,点
を通ります
(
この
2
点で折れ曲がります
)
。
のときBは
x
軸に一致しますが、Aは
x
軸と相異なる
3
個の共有点をもつので、不適です。以後、Aの右辺を
とおいて
(
)
、
,
の場合に分けて考えます。
(i)
のとき
(a)
において、Bは、
を通り、Eより傾き
(
)
の直線の一部になりますが、
,
で、
は増加なので、
において、AとBのグラフは
1
交点をもち、方程式@は
1
解をもちます。
(b)
において、Bは、
,
を両端とする傾き
(
)
の線分で、
であり、
,つまり、
のとき、点
(
Aのグラフと
y
軸との交点
)
を通ります。Aのグラフはこの範囲で上に凸なので、Bが点
を通ることから、
であれば、この範囲において、AとBのグラフは
1
交点をもち、方程式@は
1
解をもちます。
のとき、この範囲において、AとBのグラフは
2
個の共有点をもち、方程式@は
2
解をもちます。
(c)
において、Bは、
を通り、傾き
(
)
の線分で、
はこの範囲で減少なので、
のときには、
においてAとBは共有点をもたず、方程式@は解をもちません。
より、
のときには、
においてAとBは共有点を
1
個もち、方程式@は
1
解をもちます。
以上より、方程式@が
4
解をもつのは、
・・・F
のときです。
(ii)
のとき
(a)
において、
とCを連立すると、
(
左辺を
とおきます
)
判別式:
のとき
なので、
より、
において、AとBは交点を
1
個もち、方程式@は
1
解をもちます。
(b)
において、
とEを連立すると、
(
左辺を
とおきます
)
判別式:
のとき
なので、
の軸:
,
より、
において、AとBは交点を
2
個もち、方程式@は
2
解をもちます。
のとき
で、
において、方程式@は
1
解
(
重解
)
をもちます。
のとき、
において、方程式@は解をもちません。
(
)
のとき、
・
のときには、
より、
において、方程式@は
1
解をもちます。
・
のときには、
,
の軸:
より、
において、方程式@は解をもちません。
(c)
において、
とDを連立すると、
(
左辺を
とおきます
)
判別式:
のとき
なので、
において、方程式@は解をもちません。
のとき
で、
において、方程式@は
1
解
(
重解
)
をもちます。
のとき
ですが、
の軸:
,
,
より、
・
のときには、軸:
,
,
より、
において、方程式@は
2
解をもちます。
・
のときには、
,
より、
において、方程式@は
1
解をもちます。
各範囲の解の個数は、
a
の値に従って以下のようになります。
1
0
1
1
1
1
1
2
1
1
1
1
1
1
0
1
1
1
1
1
2
表より、方程式@が
4
解もつのは、
,
・・・G
F,Gより、
,
,
......[
答
]
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