東工大23年第1問について
問題の方は、こちらを見てください。
この問題も東大23年第4問と同様に、まるで易問であるかのように、苦学楽学塾HPの別解に書いた方法で解答しているものが、解答集などに掲載されています。多分、問題集などに乗るときは、基本問題であるかのように取り上げるのだろうと思います。
ですが、定積分の値の評価をするときに、曲線のにおける接線を使って考える、というのが、受験生が知っておくべき標準的な考え方だとは、私には思えません。
もちろん、それで鮮やかに解答できるし、試験会場でたまたま思いついた受験生はそれで解けばよいのですが、こうしたアプローチが予備校講師の流暢な授業の結果、受験生の頭脳に残像として残ると、その受験生は試験会場で、標準的考え方で自然に解ける問題でも、際限なく接線を考え続け、泣く破目になるのではないでしょうか。
本問では、私は、を挟むもので、積分計算し易いものを探す、というのが基本だと思います。それがなかなかうまく行かないので、苦学楽学塾HPでは大変なことになっています。でも、積分区間を分けていけばいつかはできます。そういう点で、標準的解法は安全な解法だと言えます。
多分、挟むものをもっと良いものにすればもっと楽に解答できるように思います。残念ながら私には見つけることができませんでしたが、東工大の出題者が想定した解法は、挟むものをうまく見つけるものだと想像します。
予備校講師が、ほら、こんなに鮮やかに解ける、カッコいいだろ、という授業のネタとして本問を取り上げるのじゃないだろうか、と私は危惧します。
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